茨城県――空と大地が広がる、静かな力を宿す土地

茨城県――空と大地が広がる、静かな力を宿す土地
関東平野の北東部に位置する茨城県は、太平洋に面した広大な平野と、内陸部に連なる低い山々が織りなす、開かれた地形をもつ。
海から昇る朝日と、どこまでも続く田園風景。そこには、喧騒とは縁遠い、静かで力強い営みが息づいている。
北部には久慈川や那珂川が流れ、古くから水とともに生きる文化が根づいてきた。袋田の滝に代表されるように、自然の造形は時に荒々しく、時に穏やかで、訪れる人の心に残る景色を描く。西の筑波山は、端正な双耳峰を空にのぞかせ、この地の精神的な象徴ともいえる存在だ。
茨城には、派手さや強い主張はない。
だが、その分、日々の暮らしのなかにある確かな誇りと、時代に流されない芯のようなものが感じられる。
農業や漁業は今も地域を支える根幹であり、とくに霞ヶ浦をはじめとする湖沼地帯では、自然と人の共生が今も続いている。
一方で、県南部では都市化が進み、首都圏と密接に結ばれた新しい文化も芽吹いている。
伝統と現代がせめぎ合うのではなく、穏やかに混ざり合い、茨城らしい時間が流れている。
この土地の風はいつも広々としている。
空を見上げれば、雲がゆっくりと移ろい、地平線の先に、変わらぬ暮らしの手ざわりがある。茨城は、静けさの中に確かな息づかいを感じさせてくれる、そんな場所である。
県庁所在地
- 水戸市
主要都市
- 水戸市
- つくば市
- 日立市
人口
- 約280万人
主な観光地・イベント
- 偕楽園(日本三名園)
- 筑波山
- ひたち海浜公園
- 鹿島神宮
ギャラリー

国営ひたち海浜公園のネモフィラは国内外から注目される絶景スポットだ

大洗海岸 磯前神社の鳥居は大洗町のシンボルとなっている

母子島遊水地から望む筑波山

花の名所としても知られる雨引観音。特に梅雨の時期に咲く紫陽花は人気がある。

全高120メートル 世界最大の立像大仏「牛久大仏」